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ヒヒイロカネ編51話








シエル達が話をしている同時刻、緑猫と小野坂はサタナキアと共に作業室にいた。

緑猫は(サタナキアに乗っ取られた)マウのメンテナンス、小野坂は(元の)サタナキアのボディの修理を行っていた。

緑猫「っと。これで一度動かしてみて?」

サタナキア「む…」

サタナキアは作業台のうえで脚を曲げ延ばしする。

緑猫「うん…大丈夫みたいだね。それじゃあ次は…」

サタナキア「わかっているとは思うが…妙な小細工はするなよ。」

緑猫「マウさんの身体だ。小細工なんかしないさ。…あ、一つ聞きたいんだけど、良いかな?」

サタナキア「…何だ。」

緑猫「クリア・マインドってのを身に付けた時はその後どうするんだい、やっぱり元居た世界に帰るの?」

サタナキア「む……ああ、技術者的な問題から時間は掛かるだろうがな。」

小野坂「サタナキア、ちょっといい?素体部分は兎も角、左側の武装腕や肩部アーマースラスターはかなりやられちゃってるなぁ…」

サタナキア「重要なのはMMS素体だ。武装は別にどうなっても構わん。」

小野坂「それならMMS素体の方はもうバッチリだから、こっちを手伝うよ。」

緑猫「あー…こっちももう終わるんだけど…でも、本当にマウさんに合わせた調整のままでいいの?」

サタナキア「ああ、構わん。」
 
緑猫「そっか。それじゃあ、これでおわりだよ。」

サタナキア「そうか。なら私はクレイドルに戻る。明日は早いから、二人ともよく休んでおけ。」

小野坂「はいはーい。」

サタナキア「ちょっと待て。緑猫、
これを持って行け。」

サタナキアは、何かを緑猫に投げ渡した。

緑猫「…っと!?…これって。」

緑猫が受け取ったソレは合口のような短刀だった。

サタナキア「ソレは『私』には必要ない物だからな、お前が持っておけ。」

緑猫「そっか、渡してくれてありがとう。これは大事な物なんだ。」

サタナキア「…そうか。まぁそれは『形見』になるだろうからな。大事にするといい。」

緑猫「そんなことはないさ。」

サタナキア「…ふ。まぁいい、速く寝ろ。」

小野坂「それじゃ、お客用の寝室に案内するよ。」

緑猫「その前に客間に言って皆の様子を見たいんだけど。」

小野坂「ああ、そうだね。」






二人が出て行った部屋でサタナキアは呟いた。

サタナキア「クリア・マインドを修得した後…か。」















~~~~~~~~~~~~~~~~

小野坂「それで、その短刀は何なんだい?」

緑猫「これかい?これは、俺が初めて自作した物で、マウさんの起動時にプレゼントしたんだ。」

小野坂「守り刀って奴だね。」

緑猫「ああ。気に入ってくれたみたいで何時も携帯してるんだよ。」

小野坂「緑猫君、本当に済まない。マスターである僕の力不足で。」

緑猫「いや、小野坂さんが謝る必要はないですよ。マウさんは待っててって言ったんです。だから必ず帰ってきます。」

小野坂「緑猫君…」



~~~~~~~~~~~~~~~~











~客間~


シエル「とはいうものの、一番怪しいのはユピティス、アンタなんだよねー?」

ユピティス「ほう、私がかい?」

シエル「だって、ルーファの世界の転移装置を私達世界に繋げたのはアンタなんでしょ?それに、今の状況で一番得をするのはアンタだからね。」

ルーファ「どういうことだ、シエル?!」

シエル「ユピティス…アンタの目的は自分と同じクリア・マインドを修得した者と戦うこと…でしょ。」

ルーファ「なっ…!?」

シエル「サタナキアの記憶にあるから間違いないわ。手も足もでなかった記憶がね」

ルーファ「そうか…クリア・マインドをすでに修得しているなら楽園に入る必要などない…と言うことか。」

シエル「って言うか、そもそもあんたがサタナキアにクリア・マインドを教えればこんな事にはなってないでしょーが!」

ユピティス「…弁解させてもらうと、私が電子化して遺跡の転移装置に辿り付いた時には既にこの世界の座標にほぼ固定されていた…とは言ってもあのままでは微妙にずれていたから、私が追加で操作しなければやはり危険だったが。クリア・マインドについては、私も出来ることなら教えたかった…が、それは出来ない。いや、正確に言えばどうやって教えればよいかわからないと言った方がいいな。」

シエル「は?どういうことよ」

ユピティス「私自身、どうやってクリア・マインドを修得したか覚えていない。いや、わからないのさ。例えるなら、がむしゃらに大木を登り始めた子猫にどうやって登ったか解らないだろう?」

ルーファ「つまり、ひたすら強さを求めてたらいつの間にか出来ていたという事か」

ユピティス「その通りだ。だから私にクリア・マインドを教えることは出来ない。…ただ、サタナキアの強さは既に到達していてもいいはずなんだがな。」


小野坂「三人とも、作業は終わったよー」

緑猫「シエル、ルーファ大丈夫だった?」

ルーファ「緑猫、大丈夫だったか?」

シエル「マスターの方こそ大丈夫だった?」

緑猫「うん。別に何もなかったよ。」

小野坂「それじゃあ、寝室に案内するよ。」

ユピティス「サタナキアは工作室かい?」

小野坂「そうだけど…」

ユピティス「なら私は工作室で休ませてもらうよ」

小野坂「そうかい?それじゃあお休み」

ユピティス「ああ。お休み。」




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